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越後のコロンボ 捜査記録

新潟に住んでいるコロンボファンが刑事コロンボの感想や日常の出来事など幅広く記していくブログ。

刑事コロンボ 「パイルD‐3の壁」 感想

BS-TBS 刑事コロンボ 感想 更新順

f:id:EchigoofColombo:20161123195847j:plain今回は、BS-TBSで放送された刑事コロンボ「パイルD‐3の壁」を見た感想を書いていきたいと思いましてね・・・

 

この作品も刑事コロンボシリーズの中で高い人気を誇る作品だと思います

 

あたしも見直してみて完成度の高さを改めて感じましたね、特にラストシーンが印象に残りました

 

感想※あくまで個人の感想です

最初のひっかかり

今回の事件では、コロンボ警部が犯人に対して疑いを抱き始める描写や疑いを深めていく描写が特にわかりやすく描かれているように感じましたてねぇ・・・空港で発見された被害者の車に乗り込み、部下を待たせてカーステレオでずっと音楽を聴きながら何かを考えているシーンなんかがそれにあたります。ウエスタンマニアといえるほどにカセットが積んであるのに発見された車は、なぜかラジオがクラシック専門チャンネルになっていました

コロンボ警部は最初に何らかの違和感を感じ、それがなんなのかを突き止めるためにずっと車を調べていたんだとわかります

 

次々に浮かび上がる手がかり

車のカーステレオに始まり、犯人が行方不明になる前の被害者に合っていたという情報、犯人がクラシック愛好家だという事、被害者との間にトラブルを抱えており動機が十分すぎるほどあるといったように早い段階で犯人が確定します

しかし、肝心の被害者が隠されてしまっているため逮捕に持ち込むことができないという状況が生まれます。この状況が終盤のパイルを掘り出す作業に繋がっていきます

 

ピラミッドの下には設計者が口封じのために埋められているという逸話

犯人に標的を定め会いに行くコロンボ警部。大学で犯人がしていた講義を聞き、建築家であればビルの下に被害者を隠すという手段があるという事を仄めかします。さらに前のシーンで得た手がかりを使って被害者とのトラブルや殺人の可能性について話をして追い詰めていきます

このシーンでは、まだまだ犯人を追い詰めるには手がかりが必要だという事や被害者がビルに埋められた可能性があるという事を印象付けたシーンだと思いました。その後現場主任からパイルの事を聞くというシーンもあり、ますますその可能性を高めています。

 

事件性を濃くした証拠

物語が進むにつれて血の跡がついた被害者の帽子が見つかり、血液型が被害者と一致したことから事件性が濃くなっていきます。しかしこれ、前妻が殺人説を有力にして遺産を手に入れるための偽造証拠でした。殺人事件だと思って捜査を進めているコロンボ警部としては方向性としては間違っていませんが、偽造証拠ということで話が少しややこしくなってしまいます

しかしここでややこしさをあまり感じないのは、この後のラストシーンが綺麗にまとまっているからだと思います

 

印象に残ったシーン※あくまで個人の意見です

大学講義後の犯人に話を聞くシーン

ピラミッドの話を聞いて被害者を埋めたという可能性が初めて示唆されるシーンですが、あたしはそれとは別にこの場面で印象に残った所が二か所ほどありましてねぇ

食べ物を勧める警部

食事がまだだという犯人に話をしている合間に干しブドウとキャンディを勧めています。干しブドウとキャンディは、刑事コロンボシリーズでもたまに出てくるコロンボ警部の好物です。干しブドウは、新シリーズでピーナッツバターを塗ったパンにのせて食べていますし、キャンディも「だまされたコロンボ」の空港のシーンで犯人に勧めています。おいしそうだしあたしも持ち歩きましょうかねぇ(笑)

上の黒板に届かない

講義に使っていた黒板を消す作業の手伝いを犯人に頼まれて一緒にやるんですが、上の黒板に届かず犯人に消してもらってます。それにしても大きい黒板ですなぁ・・・犯人の背の高さも同時に感じました

とまぁ全然関係ない所が気になっちまいましたわけですがね(笑)

 

被害者の主治医に話を聞きに行く

被害者の定期健診があったということで主治医に話を聞きに行くシーン。ついでに健康診断を受けることになり、葉巻をやめるように強く警告されてしまいます。ここからしばらく葉巻を我慢していきます

このシーンでは、このようなユニークな場面だけでなくペースメーカーのエネルギー交換をしなければ命の危険があるため来ないはずがないという事や性格上別の医者にかかることも考えられないといった重要な手がかりも得ています。手がかりを得る重要なシーンの中にもユニークな場面を織り込むことによって飽きが来ず楽しめるのだと思いました。

 

あんた人から蜘蛛みたいだって言われたことはないかな?

「殺人処方箋」でのずる賢い妖精、「死者の身代金」でのスッポンに続き今回も犯人から蜘蛛みたいだという評価を受けています。もっとも「死者の身代金」では、コロンボ警部が自分から話したことに対する返しで顔が似てるかもしれないとのことですが。

蜘蛛は一見のろまだけど、実に執念深くて狙われたら最後獲物は逃げ出す望みはない

と今回もコロンボ警部の特徴を見事に表しています

ところで蜘蛛といえば、あたしが以前はまっていた「うみねこのなく頃に」という作品で神聖な存在だという描写がありましてねぇ・・・その話も印象に残ってます

これまた全然関係ないんですがねぇ(笑)

 

パイルを掘り出す許可をもらいに行く

ついに被害者が埋められている可能性があるという「パイルD-3」を掘り出すための許可をもらいに行くコロンボ警部。お目当ての部署を探しそこにたどり着くとそこには大行列が・・・ようやく順番が回ってきて一通り手続きの説明を受けると今度は技術課で作業の見積もりをしてくるように言われます。大急ぎで技術課に向かうとそこにはまたまた行列が・・・なんとか見積もりを出してもらい元の課に戻って手続きを進めようとすると職員が昼休みで足止めを食らってしまいます

このシーンあたしは、「パイルD‐3の壁」を代表するユニークな場面だと思います

またこのシーンも実は、犯人の計画の内で捜査をするにあたって手続きが面倒な場所という事を表している場面であるということがラストシーンで語られています

面白いだけではおわらないのが刑事コロンボシリーズの特徴。あたしの持論です

 

ラストシーン

あたしがこの作品で一番印象に残っているシーンです

なんですいませんが少し長く書いていきますよ

序盤の犯行シーンに伏線(?)

被害者がパイルに埋められているというほぼ確実という展開で話が進んでいることで本当にパイルに埋められているんじゃないかってだまされた人もいるんじゃないでしょうか?実をいうとあたし初めて見たときはだまされましてねぇ・・・なんでかって考えてみたらパイルに埋めるシーンは最初の犯行シーンにはないんです。その代わりに描写されているのは被害者を銃で脅して道具小屋へと追いやる犯人。このシーンはパイルに被害者を埋めていないという伏線だったのかもしれませんな・・・。

誤算

ここまで順調に事を進めていき、隠していた被害者を本格的に移動させようと工事現場に来るまで向かいますが、途中でタイヤがパンクしてしまう上に警官にも止められてしまいます。ここで犯人は、若干動揺しながらもうまくごまかしてかわします。計画の最後に失敗するかもしれないというハラハラするシーンがあって、それを乗り越えてうまくかわした後にラストシーンで阻まれるという構成が印象に残りました

 

名セリフの応酬

ラストシーンでは、これまでのトリックやどうしてわかったかなどの事件の解説のような会話が続くのですが、ここでの犯人とコロンボ警部の会話が印象に残ったので少し紹介します

「すっかり見透かされていたようだね」(犯人)

「長年の勘ですよ」(コロンボ警部)

刑事ものの作品では、ベテラン刑事が決まって使う「勘」

刑事コロンボでは、ごくたまに登場するからこそ重みのある言葉になっているという印象を受けました

「あんたへまをやらかす人じゃないから死体がうずめられているはずはない」

(コロンボ警部)

「じゃあなんで掘った?」(犯人)

「調子を合わせないとね」(コロンボ警部)

すべて犯人の計画だと承知の上であえてパイルを掘り返したことが明かされるシーン

今までの出来事がすべて犯人を逮捕するためにあえて行った行動だとわかりハッとした場面なので印象に残っています

「仏ってのはなかなか葬りにくいもんだよ、下手に隠しても自分から出て来たりしてね。その点あんたうまくやった」(コロンボ警部)

コロンボ警部がこんな風に称賛していることからも犯人のアイデアがどれほどうまく考えられたものかがわかります

「何10階ものビルディングを墓石にするなんて」(コロンボ警部)

この台詞を聞いて序盤のシーンで犯人が被害者に言い放った

「あんたの墓地の設計だけはやらせてもらいましょうか」

という台詞を思い出しました。もしかしたら繋がっていたのかもしれませんな・・・

「ウエスタンとクラシックじゃ水と油だ」(コロンボ警部)

「建築屋と殺人もだ」(犯人)

最初にひっかかったことについて述べた警部に対して、慣れない事をしては失敗するというニュアンス(?)で答えた犯人。実にうまい返しで印象に残っています

 

最後に葉巻を吸おうとしてやっぱり我慢する

すべてが終わった工事現場で一人葉巻を吸うコロンボ警部・・・だったのですが、吸おうとしてすぐに火を消してしまいます。健康診断をされて時に禁煙を勧められてからこの作品が終わるまで禁煙をやりきったということや思い出したかのように火を消すところが印象に残っています

 

この作品を改めて見直してシリアスなシーンとユニークなシーンのバランスがとれているからこそ終始飽きずに見ることができるんだと思いました。

 

それともう一つ、パイルを掘り出すという行動に出るまでの道筋が丁寧に作りこんであるため最初から最後までが綺麗にまとまっているという印象も受けました。

 

これらが「パイルD‐3の壁」の人気を支えている要素なのかもしれません

 

※写真は、BS-TBSで放送された刑事コロンボ「パイルD‐3の壁」のワンシーンをカメラで撮影したものです